高専生の就活について思うこと~高専生の強みと技術力と~ | 瀬戸内の雲のように

高専生の就活について思うこと~高専生の強みと技術力と~

Posted: 2018-04-11


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目次

背景

私は高専OBのサラリーマンです。

会社の先輩として高専生の後輩と関わったり、リクルーター(OBとして学校を訪問し企業説明や求人案内をする人)として現役高専生と話したりするうち、高専生の強みってなんだろう?ということを漠然と考えるようになりました。

もうすぐ就活が始まる(もう始まってる?)時期だと思うので、それをまとめてみたいと思います。

まずはじめに、この考えに至った背景、つまり自分の経験を書いてみます。
 
 

(前提1)私の就活

今から十数年前の2000年代中盤、まだ景気が良いとされていた頃に私は就活を行いました。

私の通っていた高専はそれほど偏差値も高くなく、大学への編入よりは就職のほうがメジャーだったため、私も特に迷うことなく就職を考えていました。

 
高専では主に推薦枠を使って採用面接を受けることが多いと思いますが、私の時には景気動向もあり過去最多の求人数が来ており、その中にはある程度名前の通った大企業も含まれていました。

 
そんな中、私は「父親が働いている会社の関連企業なら、志望動機が書きやすいんじゃね?」という安易というか浅はかというか、そんな理由で国内大手の通信系企業を選び、なんと受かってしまいました。

面接では主に部活での経験を語った気がしますが、深く考えたわけではありませんでした。結果、特に苦労なく受かってしまい、就活ってこんなもんなのかなー、まぁ景気いいしなー。と脳天気に考えていたわけです。

 

(前提2)私の社会人生活

そんなわけで特に苦労なく大企業に就職した私ですが、今にして思えば身の丈に合ってないというか、能力不足は明らかでした。

周りの同期は高専卒の自分でも知っているくらい有名な大学ばかりで、コミュニケーション能力もプレゼン能力も明らかに自分より上の人ばかりでした。配属されてからも仕事をうまく回せず自信を失ってばかりの日々で、何か変えなければいけない、でも何をしたらいいかわからない、そういって苦悩し続ける日々が続きました。

 
そんな日々が続く中、転機になったのは同期が技術系の資格を取ったということを聞いたときでした。

 
それまで自分は「コミュ力やプレゼン力は高専時代に鍛える機会がなかったから負けてもしょうがない」と半ば負けを認めていたのですが、「技術力」で負けてしまった時、自分の存在価値は無くなってしまうんじゃないか?と思ったのです。自分にとって高専で培った技術力というのは最後の拠り所だったわけです。

その日から技術系の雑誌を読んだり、朝早く会社に来て資格の勉強をしたりと自分の行動を変えることができ、だんだんと周りが自分を見る目も「あいつがんばってるな」というように変わってくるのがわかりました。

 
そしてその勉強が段々と実業務に結びついて来た時、自分の成長を実感してますますがんばれる という好循環に入ることができました。結果、今でもなんとか同じ会社で仕事を続けられています。

 

本題:高専の強みとは

前置きが長くなりましたが、私が考える高専の強みというのは、「技術力にプライドを持っていること」 だと考えています。

これをもう少し咀嚼して言うと、「技術力に関わる分野については勉強し続けるモチベーションを維持できること」とも言いかえられると思います。

自分の例で言えば、プレゼン力やコミュニケーション能力、英語力などは大卒同期に負けてもなんとも思わなかったわけですが、技術力で負けた時、悔しいとか危機感とかそんな気持ちを持ったわけです。結局この気持ちこそが 「技術力」 というものなんだと思います。

本題その2: 技術力とは

技術力 = 負けたくない気持ち、プライド、勉強し続るモチベーション ということを書きましたが、少しわかりづらいかもしれないのでもう少し丁寧に説明します。

 
一般的に技術力というのは、文字通り技術の力、つまり技術を使って問題を解決する力だと思います。

しかし「高専の強みである技術力」という文脈の場合には少し意味が違ってくると思います。

 
もし高専生の強みが、文字通りの技術力であった場合、学生時代に勉強した分野と直結する業務/職場を選ばなければ成立しません。当たり前の話ですが勉強してない分野については素人同然だからです。

私の場合で言うと、専門はどちらかといえばソフトウェア系でしたので、ネットワークにはあまり詳しくなかったです。なので文字通りの技術力という意味では大したアドバンテージはありませんでした。

 
また、もし学生時代に学んだことがそのまま活かせる職場に着いたとして、そのアドバンテージは何年くらい有効でしょうか。高専生として勉強するのは基本的に5年間、その中で特定の専門分野に集中して勉強するのは長くても1,2年かと思います。

 
しかし社会人生活は何十年も続きますし、基本的にはその分野のことを1日中やり続けます。

 
このような環境では「学生時代に学んだことがある」というアドバンテージはすぐに無くなる可能性が高いし、そもそも新しい技術が出てきたら役に立たなくなる可能性が高いです。ここは私の経験上でもそうなっていて、10年前と今では使っている技術は大きく変わっています。

 
このようなことから、「高専の強みである技術力」は単に技術知識が高いことではなく、技術知識の高さを維持し続けるために、常に勉強を続けられるマインド、モチベーションであると考えています。そしてそれは「技術の分野が好き」や「高専卒は技術のプロ」といった、高専生活で培われた価値観が根底にあると考えています。

高専卒の強みをアピールするには

では、上記のような「高専の強みである技術力」をアピールするにはどうすれば良いでしょうか。

 
私見ですが、卒業研究などで力を入れて勉強したことを話せば良いと思います。

その時、「苦労した点は何か」「その時どう考えたか」「どうやって解決したか」を話せれば、この人は技術的な問題に直面したときも自分で解決できる人だと伝わると思います。

技術的な問題を解決できるかどうかは、技術の中身に興味を持ち、積極的に調べられるかどうかが大きく影響するからです。

 
私自身は採用面接等に関わっているわけではないので、推測になりますが、、

最後に: 就活で大事だと思うこと

これから日本は人口減少により労働力不足が深刻化していくと思います。

そういった状況の中で、転職はますます一般的なものになっていくと思われるため、就活に失敗してもその後リカバリーするチャンスはたくさんあると思います。

 
ですから、最初の就活では 「自分が何をやりたいか」「どんなことに興味があるか」 をしっかりと考えてほしいと思います。これは今後の社会人生活の軸にもなる部分です。

私もそうでしたが、求人票を目の前にすると会社の特徴に目を向けがちです。しかし自分が何をやりたいかの軸が定まっていない場合、どんな会社が良いのかは正しく判断できないと思います。判断基準が定まってないわけですから。

 
例えば以下のような観点でどんな企業が自分に合っているかを考えてみてもよいかもしれません。

  • 自由に好きな技術を使って仕事をしたいのか?
  • ある程度定型化された仕事を正確にこなすのが得意なのか?
  • 自分に自信があるから年齢や職歴に関係なく評価されるところがよいのか?
  • 最初はじっくり育ててくれる安定した会社がよいのか?

 
最後になりますが、社会人になれば自分の人生に対して責任を取れるのは自分だけです。後悔の無いよう就活をがんばり、最後まで楽しい学生生活を送って頂ければと思います。


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コメント一覧

2018/06/24 16:37:11

同じくアラサーエンジニアさん

私は、瀬戸内海沿海の出身で、学部卒(機械系)で、大手電機メーカーで働いています。
30代前半になり、指導職(係長クラス)に昇格しましたが、働いていて、学歴は非常に重要だと思いました。
中学卒業後、普通科高校に進学し、京都の私立大学へ進学し、22歳で就職しました。
中学卒業時、工業高専へ進学することは一切考えていませんでしたが、毎年、高専卒の技能職(生産基幹職)が入社して来るのを見て、高専へ進学しなくて良かったと感じます。
院卒(修士)>学卒(学士)>高専卒の間には、明確なヒエラルキーがあります。
院卒の方は、大概が、『研究職』や『設計開発職』に配属され、研究所に配属されて、将来の種をまく基礎研究に従事したり、新商品の製品開発や設計などの上流の業務に従事しています。
しかし、学卒の社員は、大概が『生産技術職』や『品質管理職』、『品質保証職』や『生産管理職』に配属され、量産後の工程設計や設備設計、工程管理や製品評価、工場の運営などの下流の業務に従事します。
高専卒の社員は、大概が『保全職』や『実験職』などに配属され、設備の修理作業や工事管理、製品の評価試験作業、不具合分析作業などの、肉体労働に従事します。
将来のコースも、院卒の研究職、設計職であれば、役員クラスまでの昇格が見えていますが、学卒の生産技術職、品質管理職であれば、製作所長クラス(役員手前)までの昇格しか見通せないですし、高専卒の保全職、実験職であれば、指導職に昇格出来れば御の字で、管理職にすらなれない将来が見えてしまいます。
私は、学卒なので、一貫して『設備設計』や『工程改善』などの『生産技術業務』に従事していますが、今更ながら、院まで行っておけば良かったなぁ・・・と思う事もあります。
一応、学卒としては30代前半で指導職に昇格出来て、今ではグループ全体の予実管理も任されているので、製作所内では出世コースから外れていないものの、会社全体で見れば、出世コースではないことは分かっているので、ちょっと複雑な心境です。
去年、鈴鹿高専卒の子が入ってきましたが、『高専から旧帝大へ楽勝で行けるけど、仕方なく就職した』とか、『へぇ・・・同志社なんですか?大した大学じゃないですね』とか、『うちの会社では、技術が身に付かない』とか、『下らないトラブル対応ばかりで、仕事が詰まらない』とか、凄いプライドの高い発言ばかりするのですが、仕事の方は、トラブルばかり起こして、大炎上させるので、扱いに困っています。。。
寧ろ、工業高校卒の子の方が、ちゃんと報連相して、面倒な仕事でも黙々と着実にこなしてくれるので、優秀に感じる位です。
高専って一体何なんでしょうね?
高専って何を学ぶところなんでしょうか?
工業高校と大学の間にあって、何か変にプライドが高い割には、仕事が出来ない・・・そういう印象を受けます。
高専卒より、工業高校卒の成績優秀者を採用して欲しいものだと、最近感じます。


2018/07/03 06:53:54

hatakeさん

素晴らしい記事ですね!
私は、営業として、売れるかなぁ?と思いながら、技術を触っています。
ムラケンさんの"技術力 = 勉強し続けるモチベーションの高さと維持力"という点は、非常に興味深い点でした!
引き続き、素晴らしい記事を楽しみにしています。


2018/08/18 12:44:13

管理人さん

>同じくアラサーエンジニアさん

コメントありがとうございます。そしてせっかくコメント頂いたのにご返信が大変遅くなり申し訳ございません。。

後輩の方のことですが、まず学歴で人を判断するような人間は最低だと私は思います。これは高専卒だろうと学卒だろうと、です。そもそも高専卒が大卒に学歴でマウントを取ろうとすること自体、底辺高専卒の私には全く理解できないわけですが。笑(私の高専は偏差値とか全く話題にならないので大学のレベルとかわかりません)

で、後輩の方はコメントを拝見する限りシンプルに世間知らずなだけな気がします。高専という閉ざされた環境の中ではそういう人もいると思います。そしてそういう人は必ず早いうちに挫折を経験します。(私も経験しました)。
そこで自分の能力の限界や(学歴で測れない)他人の能力に気付き、成長が始まるのだと思います。

ですので、もしその方を見捨てないであげられるならば、挫折している時に温かい言葉をかけてあげればきっと変わると思います。

最後になりますが、悪い高専卒がいれば良い高専卒もいる(はず)です。ので、次に高専卒の新入社員が入られた時はフラットな目で見てあげていただければと思います。


2018/08/18 12:47:37

管理人さん

>hatakeさん
コメントありがとうございます。そしてご返信遅くなり申し訳ございません。。
温かいコメントを頂き嬉しいです。笑 励みになります。
私も新人の頃、すこーしだけ営業をかじったのですが、自分には全くできないと思いました。なので営業の方はすごいと思います。技術ができる営業というのは、エンジニアから見てとてもありがたい存在です。ぜひ頑張ってください!



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